2020年2月4日火曜日

日経の記者が新型コロナウイルスを撃退する可能性のある「アビガン」に着目②

アビガンの情報を消そうという動きがありますので、この情報をこちらにコピーしておきます。
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新型コロナに対する臨床試験を全調査、ゾフルーザやアビガンの成分活用
2月4日にアップデート、既存のHIV薬やインフル薬を相次ぎ転用
(2020.02.04 21:00)
久保田文

 中国の大学病院や研究機関が、新型コロナウイルス(2019-nCoV)への感染が認められた患者や肺炎を起こした患者を対象に、臨床試験を相次いでスタートさせている。使用されている薬剤は抗HIV薬などに混じり、「ゾフルーザ」(塩野義製薬の抗インフルエンザ薬)や「アビガン」(富士フイルム富山化学の抗インフルエンザ薬)と同成分の薬剤も含まれる。日経バイオテクは中国で進行中の臨床試験24本を全て詳細に調査した(2020年2月4日にアップデート)。臨床試験の中には3カ月以内に終了を予定しているものもあり、結果が公表されるかどうか、どのような結果が出るかも注目される。
 本誌(日経バイオテク)では、米国と欧州、そして中国の臨床試験登録システム(ClinicalTrials.gov/Chinese Clinical Trial Registry/EU Clinical Trials Register)を対象に調査を実施した。2月4日の昼時点までに米国と中国の臨床試験登録システムに、新型コロナウイルス(2019-nCoV)関連の患者を対象に介入を行う臨床試験が計24本、登録されていることが明らかになった(診断技術の臨床試験は除く)。
 そのうち、伝統的な中国医学(Traditional Chinese Medicine:TCM)を施す臨床試験や、中国でインフルエンザに対して広く使われている「LianHua QingWen capsule(LQC)」を投与する臨床試験を除いた、計9本の臨床試験について詳細に分析した。TCMを施す臨床試験は介入の詳細が明らかではなく、LQCは日本では臨床現場で使われていないためだ。

表1 中国で新型コロナウイルスの患者を対象に実施されている9本の臨床試験(日経バイオテク作成)
介入薬
(プラセボや標準治療は除く)
作用機序
例数
開発段階
資金提供者
登録番号
ウミフェノビル
抗ウイルス薬
500例
第4相
中国Xiangya Hospital of Central South University
NCT04246242
メチルプレドニゾロン
ステロイド
80例
第2/3相
中国Peking Union Medical College Hospital
NCT04244591
リン酸クロロキン
抗原虫薬
20例
第4相
中国Sun Yat sen Memorial Hospital of Sun Yat sen University
ChiCTR2000029542
バロキサビル マルボキシル/ファビピラビル/リトナビル・ロピナビル
抗ウイルス薬
30例
-
中国The First Affiliated Hospital
中国Zhejiang University School of Medicine
ChiCTR2000029548
インターフェロン-α(吸入)/リトナビル・ロピナビル/インターフェロン-α(吸入)・リトナビル・ロピナビル
抗ウイルス薬
240例
第4相
中国The First Hospital of Changsha
中国The Second Xiangya Hospital of Cental South University
ChiCTR2000029541
ダルナビル・コビシスタット/リトナビル・ロピナビル
抗ウイルス薬
100例
-
中国Zhongnan Hospital of Wuhan University
ChiCTR2000029496
リトナビル・ロピナビル・エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩/リトナビル・ロピナビル
抗ウイルス薬
120例
-
中国Institute of Emergency Medicine and Disaster Medicine Sichuan People's Hospital
中国Sichuan Academy of Medical Sciences
ChiCTR2000029468
リバビリン・インターフェロンα-1b/リトナビル・ロピナビル・インターフェロンα-1b/リバビリン・リトナビル・ロピナビル・インターフェロンα-1b
抗ウイルス薬
120例
-
中国Chongqing Public Health Medical Center
ChiCTR2000029387
リトナビル・ロピナビル・インターフェロン-α(吸入)・メチルプレドニゾロン(静注)/リトナビル・ロピナビル・インターフェロン-α(吸入)
抗ウイルス薬、ステロイド
40例
-
中国Chongqing Public Health Medical Center
ChiCTR2000029386


SARSやMERSに効いた薬を相次いで投与
 いずれの臨床試験も、大学病院や研究機関が研究費を拠出して実施している。そのデザインは様々だが、介入群に投与する薬剤として最も多かったのは、リトナビルとロピナビルの配合薬だった。ロピナビルは、HIVのプロテアーゼ活性を阻害して、感染性のある成熟したHIVの産生を抑制する作用機序を有する。また、リトナビルは、薬物代謝酵素のシトクロムP450(CYP)3Aにロピナビルが代謝されるのを競合的に阻害し、ロピナビルの血中濃度を上昇させる役割を担う。米国や日本では、米AbbVie社の抗HIV薬「カレトラ」(ロピナビル・リトナビル配合)として知られているもので、一部報道では、AbbVie社も臨床試験で投与されていることを認めている。
 リトナビルとロピナビルの併用療法は、過去にSARS(重症急性呼吸器症候群)コロナウイルス(SARS-CoV)に感染した患者への効果が示唆されており、サウジアラビアではMERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルス(MERS-CoV)に感染した患者を対象に、ロピナビルとリトナビル、インターフェロンβ-1bを併用する臨床試験も実施されていることなどから、新型コロナウイルスに対する臨床試験にも用いられているとみられる。
 臨床試験の中には、抗インフルエンザ薬を投与するものも1本あった。具体的には、新型コロナウイルスへの感染が認められ、肺炎を起こした患者を3群に割り付け、バロキサビル マルボキシル、または、ファビピラビル、または、リトナビルとロピナビルの併用療法を投与するというもの。バロキサビル マルボキシルは、日本では、塩野義製薬の抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」として、ファビピラビルは、富士フイルム富山化学の抗インフルエンザ薬「アビガン」(ファビピラビル)として知られている。
 さらに、ステロイドのメチルプレドニゾロンを投与する臨床試験もある。具体的には、新型コロナウイルスへの感染が認められた患者を2群に割り付け、標準療法にメチルプレドニゾロンを上乗せした治療か、標準療法を実施するというもの。ただし、SARSやMERSでの経験から、ステロイド投与には予後を改善する効果がないことや、ウイルス排除を遅くすることなどが示唆されており、定期的な全身投与には否定的な見方もある。

引用:日経バイオテクONLINE https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/02/04/06513/#bpinline_expand01

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