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新型ウイルス、早期に警告しようとして口止めされた中国人医師
2020/2/4(火) 15:40配信
ステファニー・ヘガティ、BBCワールドサービス
中国・湖北省武漢市の当局者は1月初め、新型コロナウイルスに関する情報を秘密にしようとしていた。ある医師が同僚医師らにアウトブレイク(大流行)について警告しようとすると、警察はこの医師の元を訪れ、そうした行為をやめるよう指示した。1カ月後、病室からこの出来事について投稿した医師は、英雄だと称賛されている。
医師の投稿は、「こんにちは、みなさん。私は、武漢中心医院の眼科医、李文亮です」という書き出しから始まる。
そこには、新型コロナウイルスのアウトブレイクの初期段階での、地元当局によるお粗末な対応に関する見事な識見がつづられている。
■昨年12月に異変に気付く
李医師は、新型ウイルスの流行の中心となった武漢市で働いていた昨年12月、SARSに似たとあるウイルスによる7つの症例に気が付いた。SARSは、2003年の世界的エピデミック(伝染病)を引き起こしたウイルスだ。
新型ウイルスは、 武漢市の魚市場「華南海鮮卸売市場」で売られていた生きた動物が発生源と考えられていた。患者は、李医師が勤めていた病院で隔離されていたという。
■同僚に周知
昨年12月30日、李医師はチャットグループに入っている同僚の複数医師に対し、アウトブレイクが起きていると警告するメッセージを送信。防護服を着用して感染を防ぐようアドバイスした。
この時、李医師はこの病気がまったく新しいウイルスによるものだとは知らなかった。
■警察が口止め
それから4日後、中国公安省の職員が李医師の元を訪れ、書簡に署名するよう求めた。その書簡は、李医師を「社会の秩序を著しく乱す」「虚偽の発言をした」として告発する内容だった。
「我々は厳粛に警告する。頑なに無礼な振る舞いを続けたり、こうした違法行為を続けるのであれば、あなたは裁かれることになるだろう。わかったか?」
その下には、李医師の筆跡で「はい、わかりました」と書かれている。
李医師は、警察が「うわさを拡散」したとして捜査を行ったとしている8人のうちの1人。
今年1月末、李医師は中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボ)」上で、この時の書簡のコピーを公開し。何があったのかを説明した。その間、地元当局者が李医師に謝罪したが、あまりに遅すぎる対応だった。
1月最初の数週間、武漢市の当局者は、新型ウイルスに感染した動物に接触した人にのみ感染すると主張していた。医師の感染を防ぐ指導はなかった。
警察が李医師を訪ねてからわずか1週間後、李医師は緑内障をわずらう女性患者の治療を行っていた。この女性が、新型ウイルスに感染していることは知らなかった。
■咳、発熱があっても陰性
李医師は、1月10日に咳をし始めて、翌日には発熱があり、2日後には入院することになったと、「微博」に経緯をつづった。李医師の両親も体調を崩し、病院へ搬送されたという。
10日後の1月20日、中国政府は新型ウイルスのアウトブレイクについて、緊急事態を宣言した。
李医師によると、コロナウイルスの検査を複数回受けたが、そのいずれも陰性だったという。
■20日後に陽性反応
1月30日、李医師は再び「微博」に投稿。「今日の核酸増幅検査で陽性反応が出た。一件落着した、やっと診断が出た」と書いた。李医師は、舌が垂れたあきれ顔の犬の絵文字でこの投稿を締めくくった。
予想できたことだが、この投稿には数千ものコメントや応援の言葉が集まった。
あるユーザーは「李医師は英雄だ」とした上で、李医師が打ち明けた中国国内での出来事に懸念を示した。「将来、医師は感染病の兆候を発見した時に、早期に警鐘を鳴らすことを、もっと恐れてしまうだろう」。
「より安全な公衆衛生の環境のためには(中略)何千万人もの李文亮医師が必要だ」
(英語記事 The Chinese doctor who tried to warn about coronavirus)
中国・湖北省武漢市の当局者は1月初め、新型コロナウイルスに関する情報を秘密にしようとしていた。ある医師が同僚医師らにアウトブレイク(大流行)について警告しようとすると、警察はこの医師の元を訪れ、そうした行為をやめるよう指示した。1カ月後、病室からこの出来事について投稿した医師は、英雄だと称賛されている。
医師の投稿は、「こんにちは、みなさん。私は、武漢中心医院の眼科医、李文亮です」という書き出しから始まる。
そこには、新型コロナウイルスのアウトブレイクの初期段階での、地元当局によるお粗末な対応に関する見事な識見がつづられている。
■昨年12月に異変に気付く
李医師は、新型ウイルスの流行の中心となった武漢市で働いていた昨年12月、SARSに似たとあるウイルスによる7つの症例に気が付いた。SARSは、2003年の世界的エピデミック(伝染病)を引き起こしたウイルスだ。
新型ウイルスは、 武漢市の魚市場「華南海鮮卸売市場」で売られていた生きた動物が発生源と考えられていた。患者は、李医師が勤めていた病院で隔離されていたという。
■同僚に周知
昨年12月30日、李医師はチャットグループに入っている同僚の複数医師に対し、アウトブレイクが起きていると警告するメッセージを送信。防護服を着用して感染を防ぐようアドバイスした。
この時、李医師はこの病気がまったく新しいウイルスによるものだとは知らなかった。
■警察が口止め
それから4日後、中国公安省の職員が李医師の元を訪れ、書簡に署名するよう求めた。その書簡は、李医師を「社会の秩序を著しく乱す」「虚偽の発言をした」として告発する内容だった。
「我々は厳粛に警告する。頑なに無礼な振る舞いを続けたり、こうした違法行為を続けるのであれば、あなたは裁かれることになるだろう。わかったか?」
その下には、李医師の筆跡で「はい、わかりました」と書かれている。
李医師は、警察が「うわさを拡散」したとして捜査を行ったとしている8人のうちの1人。
今年1月末、李医師は中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボ)」上で、この時の書簡のコピーを公開し。何があったのかを説明した。その間、地元当局者が李医師に謝罪したが、あまりに遅すぎる対応だった。
1月最初の数週間、武漢市の当局者は、新型ウイルスに感染した動物に接触した人にのみ感染すると主張していた。医師の感染を防ぐ指導はなかった。
警察が李医師を訪ねてからわずか1週間後、李医師は緑内障をわずらう女性患者の治療を行っていた。この女性が、新型ウイルスに感染していることは知らなかった。
■咳、発熱があっても陰性
李医師は、1月10日に咳をし始めて、翌日には発熱があり、2日後には入院することになったと、「微博」に経緯をつづった。李医師の両親も体調を崩し、病院へ搬送されたという。
10日後の1月20日、中国政府は新型ウイルスのアウトブレイクについて、緊急事態を宣言した。
李医師によると、コロナウイルスの検査を複数回受けたが、そのいずれも陰性だったという。
■20日後に陽性反応
1月30日、李医師は再び「微博」に投稿。「今日の核酸増幅検査で陽性反応が出た。一件落着した、やっと診断が出た」と書いた。李医師は、舌が垂れたあきれ顔の犬の絵文字でこの投稿を締めくくった。
予想できたことだが、この投稿には数千ものコメントや応援の言葉が集まった。
あるユーザーは「李医師は英雄だ」とした上で、李医師が打ち明けた中国国内での出来事に懸念を示した。「将来、医師は感染病の兆候を発見した時に、早期に警鐘を鳴らすことを、もっと恐れてしまうだろう」。
「より安全な公衆衛生の環境のためには(中略)何千万人もの李文亮医師が必要だ」
(英語記事 The Chinese doctor who tried to warn about coronavirus)
(c) BBC News
引用:https://www.bbc.com/japanese/51366940
12月30日には武漢のアウトブレイクはすでにわかっていた。
これを隠蔽した中国政府の罪は大きい。
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